既存住宅が2007年時のピーク価格を上回る

全米リアルター協会(NAR)は最近のレポートで、マイホームを購入するバイヤーの需要と現時点での限られた販売可能在庫戸数が既存住宅価格を引き上げて、住宅ブーム時に記録した2006年の既存住宅中間販売価格のピーク価格を上回っていると報告している。
既存住宅全体(戸建、コンドミニアム、タウンハウスとコープ)の6月時の中間価格は23.64万ドルとなっていて、昨年同月時との比較では6.5%増加している。これは2006年7月時に記録したピーク価格の23.04万ドルを6,000ドル上回っていることになる。
また、NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏によると、価格の上昇に押されて既存住宅販売もここ8年では最速のペースとなっているとのことで、基本的には春からシーズンに入るが、この春はリッセッション時から最も強いマーケットになっていると述べている。
ユン氏は、「ここ数ヶ月はとても販売は好調で、これは2007年年初に記録して以来のことで、この動きの背景には1年以上にも及ぶ失業率の低下と就業率の増加というプラス要因によっており、経済が活性化してきていることが家庭でマイホームの購入へと繋がっている」と説明している。
また、「この数ヶ月の販売の好調は、春に一時期秋口には金利が上昇するとされた時があり、今買わないで待っていれば、何れはローン利率だけでなくコストが膨らむとみた消費者が多かった影響もある」としている。
6月の既存住宅全体の季節調整済みの年間販売戸数は549万戸ペースと、前月よりは3.2%の増加、昨年同月時との対比では10%も増えている。販売ペースは2007年の2月以来の最高のペースで、全米の4地区全てで増加している。
全米での販売可能な物件数、これを在庫数と呼ぶが全米を通じてとても低く、6月時では0.9%,前年同月比でも0.4%
の増加ではあるが、まだ230万戸しかない。またこの数字は5ヶ月分の在庫数を示しており極めて低いレベルである。
「限られた販売可能な住宅戸数と強い消費者の需要が価格を吊り上げ、それによって消費者購買指数を押し下げる要因になっている。それぞれに地域の自治体で賃貸住宅あるいは戸建、コンドミニアム許認可を進めているがさらなるサポートが必要である」と前述のユン氏は続けている。
在庫数が少ないにも関わらず物件の販売ペースは落ちていない。全体の売買取引の実に47%は1ヶ月以内に売却されている。全体的には平均でそれでも34日間で売れている。これはこの項目(在庫数 : Inventoryと販売日数:DOM)の調査を開始した2011年5月以来最速のスピードである。
NARの2015年会長、クリス・ポリクロン氏は、「この夏のシーズンは需要が高くマーケットがすでにホットで、1つの物件に複数のオファーが入り徐々に価格が高くなり、結果的には販売価格を上回る成約価格となっているケースも多々ある。それに加えて逆にオーナーは高い価格で売れるのは希望することであるが、それを売却し購入する物件が見つからないのではと戸惑いを感じ売りに出すのを延期するケースも出てきている」と述べている。