不動産ニュース

全米規模のホームエクイティーの増加傾向は今後も続く

不動産の調査会社大手のコアロジック社は、2018年第1四半期の「ホームエクイティーレポート」で、モーゲージ、いわゆる住宅ローンを持っているホームオーナーは、昨年からの1年間でエクイティー (含み益) が13.3%も増加したと発表しました。ホームオーナーは平均で、昨年の第1四半期から2018年の同時期までに16,300ドルもの含み益を蓄積しています。これは、過去4年間で最も成長率の高い1年でした。

「ここ最近、住宅価格の上昇が顕著に見られるようになり、そのためホームエクイティーが築かれ、多くの家庭で含み益がマイナスからプラスに転じている」とコアロジック社のエコノミスト、フランク・ノーサフト氏は述べています。

米国本土の西部諸州は最も大きなエクイティーの利益を得ており、カリフォルニア州のホームオーナーは平均で51,000ドル、ワシントン州は同様に44,000ドルの含み益を出しています。

前述のエコノミストは、「ホームエクイティーは今後も全米の至る所で増えてくる」として、「特に太平洋側の西部諸州は、住宅価格の長期間の上昇がエクイティーの蓄積を呼んでおり、今後もこの地域では、強い経済成長と消費の需要増加により、エクイティーの上昇傾向は続くと思われる」と結んでいます。

<Source: CoreLogic>

全米での住宅取引価格は上昇の傾向

全米リアルター協会(NAR)が最近行った「リアルター・コンフィデンス・インデックスサーベイ」、これはリアルターに最近の取引に関する調査をした結果ですが、直近の2月の調査では、取引の3分の1以上の37%が、販売価格 (Listing Price) か、それ以上で成約されたとのことでした。一年前の時点では、全体の35%が販売価格以上で取引されていました。さらに遡ると、2012年から2015年までは、全体の25%がそうでした。

「購買意欲が住宅供給を上回っており、住宅価格を押し上げる要因になっている」と、NARのエコノミストのブログにも記載されています。

この調査では、全体の17%が販売価格以上で成約されており、その中の87%は販売価格の1〜10%以上で、7%は10〜20%以上で、6%は20%以上で売買されています。

現在の住宅市場をみると、今後も、バイヤーは購入のためには今以上に高額を支払わないと購入できないかもしれません。エコノミストも、「この兆候は、2018年いっぱいは続く」と推測しています。

2012年の時点では、全体の物件の34%は販売価格が150,000ドルでしたが、2018年の3月時点では、その比率は全体の22%へと減少しています。州ごとや地域での格差はあるにしても、物件価格は全体で上昇傾向にあり、当分の間はこの流れが続いていくようです。

<Source: Realtor.Mag>

4月の住宅販売戸数は、在庫数減少に比例して伸びず

全米リアルター協会(NAR)は、3月までは連続して販売戸数が伸びていたが、4月はいったん小休止したような状況であると発表しました。

既存住宅全体の販売戸数は、季節調整済みの数値で546万戸ペースと前月から2.5%減少しており、昨年同月比でも1.4%下がっています。これは2ヶ月連続して、年間販売ペースが減少していることになります。既存住宅全体とは、戸建て、コンドミニアムやコープなどを含んだ全体数です。戸建ての季節調整済みの4月の販売戸数は、3月の499万戸から3.0%減少した484万戸レベルになり、コンドミニアムの季節調整済みの販売戸数は、3月より1.6%増加した620,000ユニットとなり、昨年同月と変わりませんでした。

「販売戸数の伸び悩みの主な原因は、マイホームを購入したいという需要に応えられるだけの在庫数(Inventory:販売可能な物件数)が市場に出ていないことだ」とNARのチーフエコノミスト、Dr.ローレンス・ユン (Dr. Lawrence Yun) 氏は述べ、「金利は上昇しているが、雇用状況の促進と順調な景気の流れによりバイヤーをつなぎとめている。しかし、在庫数の少なさはここ数年でも最低値で、住宅価格の高騰が多くのバイヤーの〝購入できる範囲〟を超えてしまっている」と指摘しています。

現在の在庫数の少なさにも関わらず、物件は好調に売れています。バイヤーの強い需要と在庫数の少なさが、物件の販売スピードを加速しています。

ここで、5月のニュースリリースの個別の項目を見てみましょう。

住宅価格 (Home Price):4月の全ての既存住宅の中間値は257,900ドルと、昨年同月よりも5.3%上昇しています。4月の戸建ての中間価格は259,900ドル、コンドミニアムは242,500ドルでした。

在庫数 (Inventories):4月末時点のNARの在庫数は、3月より9.8%増加して180万戸レベルになっています。これは、1年前よりも6.3%減少しています。現在の販売ペースでは、4ヶ月分の在庫数となっています。

成約日数 (Days on the Market):4月は、物件が市場に出てから成約されるまでに26日かかっています。これは1年前の29日よりも短縮されており、ここからもマーケットが好調であることが伺われます。ユン氏は、「市場に出ている物件は、気がついたら成約されている状況で、NARがこのデータを取り始めた2011年5月以来、もっとも短い期間で売買されている。1ヶ月以内での成約は、このデータを取り始めて以来の早さだ」と述べています。

キャッシュでの取引 (All-Cash Sales):現金取引の割合は、4月は21%となり、昨年と同様です。個人の投資家が一番多く、15%を占めています。

困窮な販売物件 (Distressed Sales):これらは一般的にフォークロージャーやショートセールスに関わる物件を意味し、この4月には全体の3.5%に留まっており、NARがデータを収集し始めた2008年10月以来の最低値です。昨年と比べても、5%減少しています。

<Source: NAR>

海外からの投資家は変わっても、米国への住宅不動産 投資は年々増加

ここ数年、海外からの住宅不動産投資は、中国からの投資が金額的に一番大きいことが知られています。全米リアルター協会 (NAR) によると、その総額は、2016年4月から2017年3月までの1年間で317億ドルとなっています。しかし、2017年8月から、中国政府は個人や法人の海外への資金の持ち出しにさらなる制限を設け始めており、米国内のマーケットによっては、その影響をもろに受けている地域も出てきています。NARの統計では、香港、台湾などからの投資も、統計上は中国となっています。

米国への中国からの投資は減少傾向にありますが、そのギャップを埋めているのが新興国です。台湾、ベトナムやタイなどの東南アジア諸国、クウェート、アラブ首長国連邦などの中近東、トルコや旧ソビエト連邦などで、最近では中央アジアにあるジョージアなどがそうです。

これは米国の不動産市場が、世界で最も安定的で安全な、開かれているマーケットであることを如実に示しています。2017年の海外からの住宅不動産への投資は、全米の既存住宅市場の4.5%(米国に居住する永住権保持者を含めると約10%)を占めています。経済が安定しているだけでなく、政治的にも安心、マーケットは透明性があり、人口も毎年増加傾向にあるアメリカ。1980年代には日本からの不動産投資が最も多く、現在は中国と、トップランナーが入れ替わっても次から次へとその穴を埋めるが如く、世界中の国々が投資をしています。ちなみに、2017年の日本から米国への投資額は、全体の2%を占めるに至っています。

米国内の主要都市を見てみると、ロサンゼルスでは、ビバリーヒルズで開発されている59ユニットのフォーシーズンズ・プライベートレジデンス (Four Seasons Private Residence) プロジェクトの約70%が海外からの投資で占められており、特に、シンガポールを中心とした東南アジア諸国の比率が増えています。

今年に入って、ニューヨークでは、ロサンゼルスと同様にアジア系のバイヤーが例年よりも多く見られます。特に、マンハッタンのハイエンドの物件内覧では30〜35%が、購入に際しては全体の10〜15%がアジア系です。7〜8年前に、主にタウンハウスを購入していたロシアや東ヨーロッパ諸国のバイヤーが今は見られず、代わりに台湾や韓国からのバイヤーが見られます。

米国本土の南東部に位置するマイアミでは、中国を始めとするアジアのバイヤーの数はそれほどではありません。その大きな理由としては、中国やアジアからの直行便がないためだと地元では推測しています。マイアミは地政学上、以前からラテンアメリカやカリビアン諸国のバイヤーの影響を強く受けています。

ロサンゼルスにおける中国人バイヤーの影響力の低下が著しいだけでなく、マイアミでも南米のベネズエラやアルゼンチンからのバイヤーが、自国の経済の低迷などで資金の持ち出しが容易にできなくなり、姿を消しています。

最近の傾向としては、マイアミではコロンビア、ペルー、メキシコやチリからの投資が増えており、中南米諸国からのバイヤーが、新規のプロジェクトなどでも半分近くを購入するなど、その存在感を示しています。さらに、ヨーロッパ諸国やカナダなども新規のビーチプロジェクトへ多くの投資をしており、これらはセキュリティー(安全性)というよりも、自分たちのライフスタイルに合わせた物件購入といえます。

最近の海外からのバイヤーの動きも、一昔前から比べると変化しています。その投資先は全米に広がっているだけでなく、地域内においても、新規プロジェクトだけでなくダウンタウンや郊外などへと、多岐にわたっています。

特に、ラグジュアリー・マーケットにおける海外からの投資は、年々その比重を増しており、地政学的な面での政治の不安定さや安全面から、子供に米国での高等教育を受けさせる比率も高まっているなど、今後も米国への住宅不動産投資は増え続けていくでしょう。

<Source: MANSION GLOBAL, Realtor.Mag>

空き家を売る際のステイジングの必要性

不動産の購入は、時としてイマジネーションを必要とします。特に住宅の場合は、オープンハウスなどでゲストが内覧に訪れた時に、〝このような感じ、フィーリングが持てる家なのだ〟と感じさせる努力は、特に対象が空き家の場合、「ステイジング (staging)」をすることによって解決され、不動産のプロであるリアルターには必須アイテムとなります。

「百聞は一見に如かず」:人は見た目に左右される傾向があるため、「ああだ、こうだ」と説明して理解を得るよりは、その対象物件がコンドミニアム、タウンハウス、あるいは戸建であろうと、その物件にふさわしい見せ方をする必要があります。

ステイジングは、部屋の輪郭を映し出す:これはとても大切なポイントで、リスティング物件のMLSへの掲載写真やショーイング(効果的・印象的な見せ方)の際にも現れてきます。一般的に、人はたとえ大きさや長さなどの寸法を言われても、実際にそこに物が置かれていないとなかなか理解しにくく、また他との比較ができないものです。しかし、そこに家具などが置かれていると、目で見て判断ができるので、理解しやすいのです。

ステイジングは、家のプラス部分を引き立たせる:壁に傷があったり、家具が揃っていなくてみすぼらしく見えたり、クローゼットが小さい場合、何も置かれていない空室は小さなことでも目につきますが、家具や装飾品、花などが置かれていることによって、人のフォーカスは部屋全体、家全体のイメージを映し出すことになり、小さなマイナス部分はカバーされるのです。

ステイジング自体がマイナスイメージを払拭する:一般的に、何もない家やコンドミニアムのユニットなどは、空室、離婚による売買、資金繰りの問題などと、何も無いことでマイナスの感触を作り出してしまいます。仮に、誰も住んでいない家やユニットであっても、ステイジングをすることにより、プラス効果、家のイメージを上げる効果があります。

<Source: Realtor.Mag>